~1~「やっと出来た・・・・・。」シュメルツ博士は呟いた。 シュメルツ博士の前には巨大な影があった。 ―それから4年後― 「ハァァァァ!?」 ブラックは家中に叫びを響かせた。 ブラックはシュメルツ博士が造った合成生物だ。 「うるさいなぁ。ただ羽をつけるだけじゃねぇか」 そしてブラックを造った張本人シュメルツ博士。 「ちげーよ!その、つける羽が問題なんだよ」 「えぇ・・・・・・。ただのドラゴンの羽じゃん」 「ドラゴンの羽が、ただの羽な訳がないだろ」 「そう?」 「つーか、尻尾のオマケ付きかよ」 「そうそう、賢くなったねぇ」 「うっさい!どうせ両方ともつけるんだろ!?」 「当たり前だ。尻尾がもったいない」 「いや、もったいないとかそういう問題じゃないだろ」 ブラックは逃げる体制をとったが事はすでに遅し。 ブラックの肩にはシュメルツ博士の指が食い込んでいた。 「い、いつの間にっ!?」 ブラックが叫んだ時には、もう注射の針が体に刺さっていた。 「うぅ・・・・・・、あれ・・・・・・?」 ブラックが目覚めると背中が妙に重いのに気付いた。 「あれ?まさか・・・・・・・、」 そのまさかだった。 ブラックの背中にはドラゴンの薄い膜の張った羽があった。 「うおっ!?いつの間に?って、もしや!?」 ブラクは恐る恐ると、腰の辺りを触った。 指の先が異物に当たる前に自分の腰辺りに別の神経が通ってることに気付いた。 「ひど・・・・・。マジで両方ともつけやがった」 羽も尻尾もきちんと自分の意志でちゃんと動く。 それだけがたった一つの救いだろう。 「あ、目ぇさめた?あんまり尻尾動かさないでね。まだ骨がちゃんとはまってない から外れるよ」 「は、外れるって・・・・・・。」 「うん。もう少し長く寝てて欲しかったな。もう少し気絶剤の濃度高くてもよかっ たかな?最終段階終わってないのに」 シュメルツ博士は舌打ちをした。 「俺悪くねーし。お前が俺の体に薬を効きにくしたんだろ?」 「そうだけど?」 「じゃぁいいじゃんか」 「なんか今の言い方、気に喰わない」 「本当のこと言っただけだし、俺悪くない」 「あんまり悪い口聞くとお前に溶解剤ぶっ掛けるぞ」 その時ブラックは引きつった顔で腕をぎゅっと握った。 過去、溶解剤を掛けられたことは言うまでもない。 「まぁ、いいや。気絶剤打つのももったいないし。まず第一にめんどくさい」 「は!?お、おい何する気なんだ!?おい、聞けっ!」 |